鍵屋は鍵の製作、販売を行うことが基本的な業務です。その中で、合い鍵の製作は鍵屋の代表的な仕事です。合い鍵がなく、鍵の紛失、屋内等への閉じ込めがあった場合には、通常、鍵屋に開錠を依頼します。車中にキーの閉じ込めがあった場合には、ロードサービスあるいは鍵屋に依頼します。鍵屋の中にはチェーン店網を形成し、開錠の依頼のあった場所に最も近い人を派遣する方式をとっているところもあります。鍵屋の有する開錠技術は鍵の専門学校で習得することができます。その学校では、鍵に関する学習のほか、現職の鍵屋に同行して、実際の開錠現場で実技の習得を行います。空き巣等の不正侵入者と鍵屋は鍵を用いずに開錠を行いうる技術を有しているという点では共通面もありますが、鍵屋は防犯側の立場にあります。鍵屋の中には防犯設備に関する資格を持ち、錠前だけでなく、防犯の方法、防犯設備一般に関する業務を行っているところもあります。防犯設備に関する資格は、ある社団法人が与える資格で、その有資格者は、防犯設備機器に対する専門的知識と技能を有する専門家と言うことができます。家屋等への不正侵入者の開錠の方法は下記のとおりです。①ピッキング開錠:特殊な工具を使って、正式な鍵が差し込まれているのと同様の状態をつくりだして開錠する方法です。②サムターン回し・スコープ開錠:玄関扉のすき間やドアスコープを壊して特殊な工具等を入れ、扉の内側にあるサムターンを回して開錠する方法です。③バンピング開錠:バンプキーと呼ばれる鍵山が特殊な配列をした鍵を使い、開錠する方法です。高度な技術を必要とせず、誰でも開錠ができます。④カム送り・バイパス開錠:シリンダーを覆うカバーの隙間から特殊な工具を差し込み、その中にあるカムといわれる部分を動かし、開錠します。⑤.破壊・こじ破り開錠:バールでドア枠を破壊する、ドリルやホールソーなどで錠を破壊する方法です。上記の①~④に対しては、防犯性の高い鍵への交換、補助錠の取付けが有効です。②については、サムターンカバーという開錠防護器具の取付も有効です。⑤に対しては、破壊に強い錠前への交換、かんぬき周辺の高強度化、面付け錠と呼ばれるタイプの補助錠の取付けが効果的です。